美味しく食べる

入居者のIさんは食べることが大好きです。
食事をする時はスタッフがお手伝いしています。

Iさんの今晩のお膳です。

飲みものが最後まで楽に飲める形のコップ。
手の不自由なIさんがご自分で食べられるよう持ちやすく口当たりのよいスプーンと、お皿が動かないようにするための滑り止めシート。
たくさん頬張りたいIさんですが、むせないように少量ずつ食べられるティースプーンを介助者は使います。


時々強くむせられるため、飲みものや汁物、おかずの水分にトロミ剤を混ぜます。
トロミ剤はあっという間に柔らかいゼリー状にして飲み込みやすくしてくれる便利なものですが、独特の風味と粘りがあります。
味を損ねないよう多すぎず少なすぎず、Iさんが飲み込める柔らかさにします。


もう何年も前のことです。
介護職になって初めて見た食事の介助では、ドロドロのおかずとごはんを全て混ぜていました。
また、ある所ではペースト状の食事を5分ほどで入居者さんに食べさせた職員が最後に言いました。
「はい終了ー。」


ご自分で食べることが難しくなった方の多くは、「こうしてほしい。」と言葉にすることも難しくなった方です。
入居者さんの猗味しく食べる瓩蓮∨気蕕砲い襯好織奪佞痢崛杼力」が全てです。


その「想像」は、関わるスタッフの数だけあり意見が違うことも。

安全に食べられるようミキサーにかけるか見た目や食感を残す形にするか。
できるだけご自分で食べていただくかしんどくないようにスタッフが口に運ぶか。
正解などなく、その日その時のIさんの調子を見ながら行きつ戻りつしています。
 

美味しく安心して食べてほしい。
スタッフ皆のその同じ思いが、マニュアル通りではないお1人のためだけの気づきと発見を生みます。
Iさんのお膳も、食事介助のやり方そのものも思いの結晶であるような気もします。

どんなに体がしんどくても食べる時は口を大きく開けられるIさん。
人生の最後の一日まで味わう喜びがありますように。

えんどう豆 Kumi


















 
- 01:59 comments(1)
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- 01:59 -
COMMENT
人生の最期に何が食べたいだろうか。それは出来れば、入居者の方に最大限思いを馳せて、そんな風に皆の思いのこもったものが食べられたら最高ですね。私の祖母は薬のふりかけの混ぜご飯を最期の時間の直前に食べさせられていました。その御膳をぼーっと眺めていた祖母の姿を忘れられません。私たちは、絶対にそういうことはしてはいけない。まずはその方の人生や歴史に思いを馳せて食事もつくることから。そこから。
さくら 2016/06/07 10:38 AM









府中みどり園 みどり園からこんにちは
広島県安芸郡府中町にある介護老人福祉施設、「府中みどり園」のスタッフブログです。
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